中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

“脱東京”で佐賀県唐津市への移住を決めた中川淳一郎氏「行き先は時の縁」

 私の場合、ヨッピー氏が「アメリカに行けないんだったら、佐賀に行けばいいんじゃないですか?」と誘ってくれたので佐賀に行くことにしました。元々佐賀にはなんの縁もありません。一応、生まれはお隣の福岡県北九州市八幡東区なのですが、佐賀には行ったことさえない。でも、ヨッピー氏が誘ってくれた。だったら行くぜ、ということです。

 もしも、同じタイミングで愛媛とか青森から同様の誘いがあったらそこに決めていたかもしれません。とはいっても、今回の決断について多くの人から言われるのは「あなたは子供がいないから自由に動けるのですよ」ということです。

 まぁ、それは事実ですが、あなたは子供を育てる人生を決断したのでしょ? それはそれで素晴らしいことを手に入れたのだから、いちいち私が子供がいないからといってdisる必要はないのでは? とも思います。

 今回、唐津に移住することをツイッターとフェイスブックで公言したところ、次々と「唐津を選んでくれてありがとう!」や「ぜひ会いましょう!」というコメントをいただきました。これらの方々は唐津を離れた方もいますし、近くの福岡や宮崎の方もいます。一人の人間が人生を変えて引っ越しをすると「何か」が発生するんですね。これから唐津への移住で何が発生するか、どんな出会いがあるか、そこらへんが楽しみで仕方がありません。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ライター。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。

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