配偶者に先立たれ、一人暮らしになる女性が増えているという。快適な“おひとりさま”生活をおくるために“やった方がいいこと”がクローズアップされることは多い。しかし、身軽に快適に過ごすためには、実は何をやるかではなく“何をやらないか”が重要だ。
一般社団法人シニア生活文化研究所代表理事で「没イチ会」代表の小谷みどりさんは、10年前に夫を亡くした経験から、家事は基本的に“人のため”にしていたと気づいたと振り返る。
「だからこそ、ひとりになったら面倒な家事はやめて、その分の時間を自分のために活用すればいい」(小谷さん)
料理は3食作らない
“人のための家事”の最たるものが料理だ。同居していた母親を5年前に見送り、子供は独立したという料理研究家の谷島せい子さんは、ひとり暮らしを始めて、大きくそのスタイルが変わった。
「子供が家にいたときは3食しっかり、特に夕食は力を入れて作っていましたが、ひとりになったいまはお昼ご飯をメインにして、夜はその残りをアレンジして食べています。昼のステーキやとんカツをサラダ仕立てにしたり、まぜご飯をおにぎりにしたり。料理の負担が減ったうえに、何より台所の掃除も昼間に済ませられるから、夜はすぐ休めるんです」(谷島さん)
人間、ほこりでは死なない
家の掃除や服装も、ひとり暮らしならそれほど気にする必要はない。
「夫がいた頃は掃除機を使っていましたが、いまはルンバ一本。面倒くさくないし、自分で掃除するよりきれいにしてくれます」(小谷さん)