あえて一般レーンを使ってみたら…
そこで考えたのが、一般レーンを通過する方法。支払っている姿を露骨に見せることができるので、効果があるのではないかと考えたようだ。ETCのほうがスムーズであるが、毎回負担し続けることを考えると、これくらいしないと分かってもらえないと思ったとのこと。しかし、佐久間さんの作戦は意外な結果を招いてしまう。
「高速料金を払おうと財布をゴソゴソしたら、『高速料金ってこんなに高いんだ? これからは一般道でいいよ』ってサラっといわれました。運転する私の気持ちは無視ですか?」
もともと年齢層が高いグループということもあり、年金や貯金に頼る生活のせいか、お金にシビアな人が多いそうだ。佐久間さん自身も年金暮らしの身ではあるものの、このようなケチり方はしないようにしていると、怒りを抑えきれない様子。
今まで立て替えた分のETC料金は支払われることはなく、現在に至るという。
「こっちがしっかりと請求しない限り、払う気がないんでしょうね。いい大人なのにあり得ないです」
最近は新型コロナウイルスの影響もあり、恒例のゴルフ会は控えているとのこと。仲間からは「Go Toトラベル」を利用したゴルフ旅行なども提案されているそうだが、今までの経緯を考えると行く気になれないと話してくれた。
運転を買って出る側と乗せてもらう側の、ガソリン代や高速料金をめぐるトラブルは、プライベートで親しい者同士ほど生じやすいのかもしれない。運転する側が言い出せばいいと思うかもしれないが、乗せてもらっている側が気にかけてあげるほうが、一般的な礼儀としては相応しいだろう。
“言われなければスルーしてもいい”という考えは、今回の佐久間さんのケースのように関係性に亀裂を生んでしまう。大切な仲間とは金銭的な問題で揉めないよう、相手を配慮することを忘れてはいけない。