1980年代の人気漫画『きまぐれ☆オレンジロード』作者のまつもと泉さんが10月6日に亡くなった。61歳だった。この時ツイッターのトレンドには「オレンジロード」や「まつもと泉」が入り、作品の思い出が続々と書き込まれた。こうした1980~90年代の『少年ジャンプ』黄金期のメイン読者は現在は40~50代になっているが、今後は人口も多いこの世代に向けたリバイバル商品ブームが活性化するのでは、とネットニュース編集者の中川淳一郎氏(47)は分析する。
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まつもとさんの逝去を知った時、「もうあの上手な絵を見られないんだ……」という残念な気持ちになりました。ネットの書き込みを見ると、私と同世代と見られる人々が郷愁の気持ちを続々と書き込んでおり、やっぱり小さい頃に見た作品というものはいつまでも心の奥底に残り続けるんだな、と感じ入ったものです。
私自身、最近でも漫画喫茶に行ったり、文庫版を全巻まとめ買いする時に読むのは過去に熱中した作品ばかりです。新しい作品はほぼ読みません。それだけ保守的になってしまっているんですよね。
『キン肉マン』『北斗の拳』『キャプテン翼』『銀牙-流れ星銀-』『ブラック・エンジェルズ』『魁!男塾』『赤龍王』『天地を喰らう』『キャッツ・アイ』『よろしく!メカドック』などが該当しますが、かつて読んでいた作品の「○周年」企画で発売されたグッズやムックなどはついつい購入してしまいます。
昨年の『キン肉マン』40周年の時も色々と買ってしまいました。来年は『キャプテン翼』が40周年、2023年は『北斗の拳』が40周年を迎えるなど、関連グッズの販売が見込まれますが「オッサンホイホイ」状態になり、ネットではこれらに関する話題が盛り上がり、販売も好調になることでしょう。
ネットで話題になるものは、40~50代の男性がかつて熱狂したものになりがちです。かつて私がいわゆる「キュレーションメディア」の編集をしていた時は、「40代が泣いて喜ぶ懐かし商品50選」といった記事を出していましたが、2つライトのついたスポーツタイプの自転車、アイスクリームの「宝石箱」、野球盤、キン消し、ファミコン、ゲーム&ウオッチなどを次々と紹介したところ、数万シェアを獲得するに至りました。