「会費については別のメンバーも質問していましたが、明確な回答は得られませんでした。本当は私も払いたくないですが、このサークルで有名大学出身の将来有望な男子と出会いたいんです。出来れば玉の輿に乗りたいですね。そのチャンスを自分から手放すのはもったいないというか……」
会費に納得できない一部のメンバーはサークルを脱退した。佐藤さん自身も会費については不満があるが、「現在4年生の私は、今から別のインカレサークルに移籍することは厳しい」と話す。
全く活動しないままかと思っていた佐藤さんに転機が訪れる。それは、景気回復対策の一つとして政府が打ち出した「Go Toトラベル」キャンペーンである。
「旅行サークルですからね。これに乗らないわけはない! と思ったんですけど……」
一部のメンバーではGo Toトラベルを利用したサークル旅行を計画しようとしていたそうだが、別のメンバーから「コロナが収束していない状況で旅行は楽しめない」「自分の地元の近くで感染者を出すわけにはいかない」などといった反対意見が出て実現しなかった。
「コロナを心配するメンバーもいますので、無理してまでサークル活動の再開は望んでいません。でも、使途がよく分からない会費の徴収はやめてほしいなぁと思っています」
今後、活動休止中に徴収された会費の収支が明らかにされないなどのトラブルに発展した場合、学生同士の私的なサークル内の話だからと曖昧に終わらせず、専門家や行政の窓口に相談することをお勧めしたい。