社員の年収3割減、冬のボーナス「ゼロ」――。支給日より2か月も早く、航空大手・全日本空輸(ANA)の大幅な人件費削減案が報じられた。冬のボーナス不支給は、記録が残る1962年以降初めてのことだという。
新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃した同社では、2021年3月期の連結最終損益が5100億円の赤字となる見通しだ。過去最大の赤字幅を少しでも抑えようと、これまで夏のボーナス半減や、従業員らの一時帰休などで対処してきたものの、業績回復の見通しは暗い。今後は希望退職を募りつつ、他企業へ社員を出向させるなどして存続を図るという。
スカイマークも夏に続き、冬のボーナス支給を見送った。在宅勤務の普及に合わせて、10月からは通勤定期代の支給も廃止。全体で約90億円のコスト削減を目指す。
ANAとともに日本の空輸の“両翼”を担う日本航空(JAL)も、夏のボーナス半減でコロナ禍に対応してきた。役員報酬の一部カットが継続される中、従業員の冬のボーナスはどうなるのか。
まだ労働組合とは交渉が妥結していないが「会社側から0.5か月分(昨年は2.5か月分)に減額する方針が組合に伝えられました」(JAL広報部)