終りが近付いても、気は抜けない
“団体行動を学ぶ”という点では、教師も例外ではない。Mさん(30代男性/テレビ)の高校では、教師がやらかした。
「最終日の忘れ物チェックで、『M本』と書かれた白いブリーフが出てきました。しかし、ウチの学年にその名字の生徒はおらず、M本といえば社会の教師だけ。それ以来、M本先生のアダ名は『パンツ』になりました」(Mさん)
Aさん(40代/広告)は、ヘトヘトになった記憶しかないという。
「ウチの学校の修学旅行はスキーでしたが、混雑で酷い目に遭いました。当時はスキーブームの真っ最中で、リフトに乗るのに1時間待ちは当たり前。上級コースに振り分けられた子は、1日で2~3回しか滑れなかったそうです。しかも帰りの高速道路が猛烈に渋滞して、新潟県から横浜に帰るまでに12時間近く掛かり、学校に着いたのは深夜の2時。とにかく疲れた記憶しかありません」(Aさん)
最後に、都内の某名門校に今も伝わる伝説の事件を紹介しよう。同校出身のWさん(50代男性/SE)がいう。
「Kという生徒が深夜に宿を抜け出して有名なお寺に忍び込み、非常ベルが鳴って警察がやって来る騒ぎを起こしました。寺と警察は『せっかくの修学旅行だから』と、穏便に済ませてくれたのですが、教師は激怒。Kはこっぴどく叱られました。
その後、留年したKは翌年の生徒会選挙に立候補し、当選して生徒会長に。しかし前年の騒動のせいで、その年から修学旅行は中止。原因がKのせいだということがバレると、Kは吊し上げをくらい、“リコール”の末に生徒会長をクビになりました」(Wさん)
警察沙汰は問題外だが、誰しも1つや2つは笑えるエピソードを持っていることがうかがえる。良くも悪くも、修学旅行の思い出は大人になっても色褪せないようだ。