Bさんがいう“コール”とは、お酒を飲む際に使われる掛け声のようなもので、最近ではYouTubeなどでも人気コンテンツとして知られている。昔から学生の飲み会には付きものだが、現在ではただ掛け声を発するだけではなく、J-POP曲の替え歌コール(通称:飲みソング、一気ソング)が流行っているのだという。
「たとえば定番だと、大塚愛の『さくらんぼ』に合わせて“すーいすーいすいすいすい、○○飲まなきゃ嫌だっちゃ!”と歌いながら、次に飲ませたい人を指名していく感じです。あとはサカナクションの『新宝島』に合わせて、“次”に飲む人をどんどん指差し指名したりします。オレンジレンジの『イケナイ太陽』もコール曲としてよく歌っています。
先輩が歌っていて覚えることもありますし、今ではYouTubeにも紹介動画がアップされているので、それを参考にすることも多いです。友達やサークルのメンバーと一緒にYouTube動画を見て、実際にカラオケで実践するみたいな(笑い)。コロナでもカラオケ店はやっているので、昼にZoomで講義を受けてから、『じゃあ、何時からカラオケね!』みたいな感じで集まっていました」(Bさん)
もちろん、学生みんながみんな、コールを叫びながら酒をあおっているわけではないだろう。実際、コロナ禍でのカラオケ飲み会や、学生同士の集まりに疑問を感じている学生も少なくない。
ただ、新型コロナの感染者数が再び増加に転じ、カラオケでのクラスター(集団感染)事例も報じられる中で、「カラオケなら外部と遮断されているから安心」と考えて飲み会に興じるのは、逆にリスクの高い行為と言えるかもしれない。それ以上に、コールに合わせての一気飲みは急性アルコール中毒を招く可能性があり、最悪の場合は命を落とすケースもある。羽目の外し過ぎにはくれぐれも注意してほしい。