2010年代以降、「美容男子」や「ジェンダーレス男子」といった言葉がトレンドとなり、美意識の高い男性タレントやSNS上の有名人に注目が集まるようになった。最近ではコスメブランド「NARS(ナーズ)」が横浜流星と、「Dior(ディオール)」が「Snow Man」のラウールとコラボするなど、コスメの広告に男性が起用されることも珍しくない。「女らしさ」や「男らしさ」といったジェンダーに縛られることなく、メイクやファッションを楽しむ動きも見られる。
そもそも男性の美容というと、数年前までは一部の男性の趣味程度に語られてきたが、現在では身だしなみの一部として認識されつつある。実際、ドラッグストアで購入できるプチプラアイテムから、デパコス(デパートコスメ)まで、化粧品や乳液、美容液などの基礎化粧品類ではメンズラインが多く発売されており、メンズ美容市場は絶好調だ。
こうした男性の美容意識の高まりを牽引するのは、お笑いコンビ「EXIT」のりんたろー。、「Snow Man」の渡辺翔太のほか、SNSで若者に人気のこんどうようぢ、元ヴィジュアル系バンドマンで現在は人気エステティシャンのヒィロ、整形総額1億円“謎の整形美男子”アレンをはじめとする、インフルエンサー的芸能人の存在だろう。
若い世代を中心に現在進行系で増えつつある「美容男子」を、女性たちはどのように受け止めているのだろうか。大学生のAさん(都内在住・20歳女性)は、現在付き合っている彼氏が、最近、基礎化粧に目覚めたのだという。
「彼は目に見えて肌も綺麗になったし、テカリもないし、良い匂いがするし、最高でしかないです。最近はひげ脱毛にも通っているので、青ひげになることもないし、カミソリ負けして肌荒れすることもなくなりました。一緒にオーガニックコスメの専門店に行って、2人で化粧水や乳液を選ぶこともありますし、韓国で人気のフェイスパックを一緒につけて保湿したりと楽しいことだらけです。
私に『このブランドどう? 肌荒れない?』『この美容液、ニキビ跡に効く?』などと質問してきて可愛いですね。彼からジェンダーレスコスメをおすすめされることもあったりと勉強になることも多いし、美容の話題を共有できて嬉しいです」(Aさん)