今週の日経平均は、25500円の節目を意識した値固めの展開が予想される。国内1日あたりの新型コロナウイルスの感染拡大が過去最大に増加し経済への影響が懸念されるマイナス材料と、米国製薬企業ファイザーやモデルナによるワクチン開発の進展というプラス材料がせめぎあう展開が継続する見込みだ。感染拡大が進み、国や自治体による行動制限を伴う措置が検討されることになると、相場への一時的なショックは回避できない。新規感染者拡大のニュースがリスク回避の円買いを誘発する懸念もある。
しかし、11月に入っての日経平均の急伸によるスピード調整が働いたことは自然な流れでもあり、突発的な悪材料が出ない限りにおいて、一気に相場がリスクオフに傾斜する流れでもないと思われる。日経平均は19日以降、5日移動平均線を下回り調整ムードが強まる一方、25500円にフシ意識が働き下方硬直性も健在だ。
日経平均はNYダウとともに新型コロナにまつわるニュースフローに一喜一憂、一進一退が予想されるが、11月第2週(9-13日)の投資部門別売買動向における海外投資家は現物・先物の合計で1兆円を超す大幅買い越しか2週連続で継続しており、需給に大きな崩れは見られない。上昇を続けていたNT倍率が調整をみせてきており、割安感が意識される景気敏感株への押し目狙いの動きも期待される。
また、未踏の3万ドルに王手をかけているNYダウが大台替えを果たした場合、東京市場のセンチメントも短期的な刺激を受けることが期待される。
スケジュール的には25日の米7-9月期GDP改定値と米10月個人所得・個人支出が注目されるが、感謝祭明けとなる27日の米ブラックフライデーにも関心が高まってこよう。週明け以降には米ネット通販大手アマゾンが開催する年末の期間限定ビッグセール・サイバーマンデーも控えており、オンライン通販とクリスマス商戦の話題がメディアを通じて盛り上がり始め、ネット通販関連の動きに関心が向くところだ。
このほか、物色的にはマスクなど感染予防対策に続いて、ゼネラルモーターズ(GM)が自動運転や電気自動車開発に2025年までに270億ドル投資する計画を発表したことを受けてEV(電気自動車)関連にも関心が高まる可能性がある。マザーズ指数も10月高値からの調整も一巡してもみあい商状に転じており、3銘柄が登場するIPOを受けて物色意欲が刺激されてくる見込みだ。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、23日は勤労感謝の日で東京市場休場、24日に10月全国百貨店売上高、25日に10月企業向けサービス価格指数、27日に11月東京都区部消費者物価指数がそれぞれ予定されている。
一方、米国など海外主要スケジュールは、23日に米11月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI速報値)、24日に米9月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米11月CB消費者信頼感指数、25日に米10月個人所得・個人支出、米10月耐久財受注、米7-9月期GDP改定値、米10月新築住宅販売件数、11月4日・5日のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨、26日は感謝祭で米国市場休場、27日に米ブラックフライデーが予定されている。