気ままな独身生活を送る30~40代が、しばし立ち止まってしまうのが年末年始。実家に帰れば、親から結婚云々について尋ねられ、帰省しなければ「正月ぐらいは……」と、小言を言われるのが“独身正月あるある”だ。しかし今年は誰もが未経験の「コロナ禍の年越し」。これまで何とか年越しをやり過ごしてきた独身者たちは、2020~2021年の年末年始をどう過ごすのか?
早々に年末年始のスケジュール変更を余儀なくされたのは、東北地方出身のMさん(40代男性/SE)だ。
「70代の母から先日連絡があり、『絶対に帰ってくるな』と言われました。実家がある市のコロナ感染者数はこれまでわずか数人。地元で暮らす弟によれば、コロナになった人がどこの誰なのか、名前・家の場所・職業まで、みんな知っているそうで、『もし兄ちゃんが東京から帰ってきて、コロナだったりしたら、M家はもうこの町で暮らしていけない』と言われました」(Mさん)
まだ岩手県で感染者ゼロの状態が続いていたとき、県知事が「第1号を責めないように」と、しきりに訴えていたのは記憶に新しいところ。地方は都会よりも人間関係が濃厚なだけに、過敏になる気持ちは分かる。移動はするものの、行き先を変えたのは、ダイビングが趣味のOさん(40代女性/団体職員)だ。
「まとまった休みを取れるのが年末年始だけなので、毎年必ず海外にダイビングに出かけていました。12月27~28日から1月4~5日まで、休みをほぼ使い切る旅です。1年間、そのために働いていると言っても過言ではありません。
しかし今年は海外に行くのは無理なので、国内に変更しました。親からは『まさか海外に行かないよね?』と連絡がありましたが、国内旅行にしたことを伝えたら、『アナタがウイルスをばらまかないようにね』と、言われました。もう(実家に帰ってこないことは)諦めているようです」(Oさん)
離島でクラスターが発生したら、島全体がパニック状態になる可能性もある。くれぐれも注意が必要になりそうだ。一方、毎年恒例のスケジュールがパーになり、途方に暮れているのはHさん(40代女性/翻訳)だ。