年末が申し込みの期限となる「ふるさと納税」。駆け込み申請が増えるこの時期、期間限定の増量品や還元率の高い返礼品が続々登場している。
「ふるさと納税」は応援したい自治体に寄付をすると、税金の控除を受けながら返礼品が受け取れる制度だ。総務大臣時代の菅首相の肝煎りで2008年にスタートした。ところが、家電など地場産品以外の高額な返礼品や、ギフト券といった換金性の高い品を提供する自治体が現われたため、昨年の地方税法改正で「返礼品の還元率は3割以下」「返礼品は地場産品」というルールが設けられた。
ただ、これまでの“お得感”が薄れたと考えるのは早計だ。専門サイト「ふるさと納税ナビ」の内田綾子編集長が説明する。
「“3割以下”というのは自治体が生産者から購入する金額に対する制限で、市場価格と比べると高還元率の商品がまだまだあります。ふるさと納税の申し込みサイトでは、別途、独自のポイントを特典として付与するケースも多いので、利用者にはメリットが大きい」
今年の冬はどのような返礼品が狙い目なのか。
「今の時期のおすすめは“おせち”や“鍋セット”です。旬の食材を豊富に取り入れたものが多く、申し込みが多い人気返礼品です。還元率の高い商品も多い」(内田氏)
たとえば茨城県境町の「茨城県のお米4種食べくらべ20kgセット」は、地元産コシヒカリのほか、あきたこまち、ひとめぼれなど計4種(各5kg)の白米がセットになった人気の返礼品だ(寄付金額1万6000円)。
市場価格から算出した還元率は74%。それが税金の控除により実質自己負担2000円で手に入るわけだ(控除の上限額は所得により異なる)。