映画『鬼滅の刃』の記録的ヒットは、映画の興行収入や原作本、テレビアニメ版の売り上げだけでなく、関連商品の販売やキャンペーンにも波及している。株式市場ではその関連銘柄を指して“キメツノミクス”という新語まで使われ出した。子供たちの間では、同作の関連グッズが大流行。子供2人にせがまれ、鬼滅グッズを求めて右往左往したという30代の専業主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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「朝から晩まで『鬼滅! 鬼滅!』と、子供たちは大騒ぎ。クリスマスプレゼントで頭を悩ませること間違いなしだと思いましたよ」
そう語るのは、東京都内在住の専業主婦、鈴木加奈子さん(仮名・33歳)。アニメ『鬼滅の刃』の関連グッズ購入を巡って、トラブルに見舞われたという。鈴木家は、夫と5歳、3歳の息子2人の4人家族である。
『鬼滅の刃』はコミックスの累計発行部数が1億2000万部超、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入も275億円を突破し『タイタニック』を抜いて日本歴代2位の大ヒットとなっている。老若男女問わず幅広い層から支持を受けており、今年のトレンドとも言えるだろう。
その話題の大きさから、特に人気の関連グッズは購入が難しくなっている。そうした商品はネットでの高額転売が頻繁に行われ、フリマサイトでは中古でも定価を超える金額での出品が目立つ。また、正規品ではない海賊版商品も出回るなど、安心して購入できない状況が生じているようだ。
「そろそろクリスマス。『サンタさんに何をお願いするの?』と聞いたら、『日輪刀!』と、即答。困りました……」(鈴木さん、以下同)