その他、適用が2年早くなる可能性がある生前贈与の特例には、1000万円までの結婚・出産・子育て資金が非課税になる「結婚・子育て資金の贈与」や、1500万円までの住宅購入資金が非課税になる「住宅取得等資金の贈与」などがある。これらの特例は時限的な措置だが、期限が延長されれば成人年齢引き下げによる影響が出る可能性がある。
一方、相続税の控除額が減る懸念がある。前出・曽根氏が解説する。
「未成年者の相続税控除にも影響が出ます。現行では、相続人が20歳になるまでの年数1年につき10万円が控除されます。ですが、成人年齢が18歳になると場合によっては、控除が減ることになります。仮に16歳で被相続人になった場合、現行では40万円の控除額が20万円に減るということです」
現行では「20歳-相続した時の年齢×10万円」が控除されるが、その枠が1~2年間分狭くなる。いつ相続が発生するかで、こうした違いが生じることも知っておきたい。
※週刊ポスト2021年1月1日号増刊『週刊ポストGOLD もめない相続』より