投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月30日~12月4日の動きを振り返りつつ、12月7日~12月11日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は5週連続の上昇となった。週初11月30日の日経平均は5日ぶりに反落した。感謝祭明け27日のNYダウが反発し、ナスダック総合指数やS&P500指数は過去最高値を更新した流れを受けて朝方は一段高で始まりバブル崩壊後の高値を付けたものの、その後は短期的な過熱感から失速し後場は一段安となった。また、東証1部の売買高は24億8779万株、売買代金は4兆7669億円に膨らんだ。個別では三井不動産<8801>が買収すると発表した東京ドーム<9681>がストップ高比例配分となった。なお、11月月間の日経平均は前月比15%の大幅上昇と反発した。
11月30日のNYダウ、ナスダック総合指数ともに反落したものの、バイオ製薬のモデルナが新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を申請すると伝わったことを好感し、12月1日の日経平均は190円高で始まると、その後上げ幅を広げバブル崩壊後の戻り高値を再び更新した。米国市場の流れをくんでSUMCO<3436>など半導体関連株を中心に買いが入り、アジア株の値上がりも追い風に働いた。
2日の日経平均も小幅ながら続伸した。米国ではコロナワクチン配布が2週間内に開始する可能性が明らかとなって1日のNYダウは反発、ナスダック総合指数は史上最高値を更新した流れが好感された。ただ、高値警戒感もあり前日終値水準を挟んで一進一退となるなか、大引けでは前日比プラスを保った。個別では、米系証券が格上げしたフジクラ<5803>の上げが目立った。
追加経済対策の協議進展や新型コロナウイルスワクチンの普及への期待から2日のNYダウは小幅続伸し、3日の日経平均も小幅ながら3日続伸した。エムスリー<2413>など主力グロース(成長)株に利益確定の売りが広がるなか小幅安でスタートした。その後、景気敏感株中心に買いが入り全般を支えて、日経平均は終値ベースでのバブル崩壊後の戻り高値を更新して大引けた。
週次新規失業保険申請件数が前回から予想以上に減少し、追加経済対策の合意期待も高まったことを受けて3日のNYダウは3日続伸した。しかし、1ドル103.80円台と為替が円高に振れたことなどを受けて、4日の日経平均は一段安でスタートした。今晩の米国雇用統計の発表を控えて模様眺めムードも強く、終日マイナスゾーンでの推移となった。売買代金上位では、EV(電気自動車)関連のデンソー<6902>の逆行高が目立った。大引けの日経平均は前日比58.13円安の26751.24円と4日ぶりに反落した。