投資情報会社・フィスコが12月7日~12月11日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は10日開催の理事会で、政策金利を据え置く公算。そのうえで、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)と条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)を軸に一段の緩和を進める方針とみられる。同時に、2018年4月以来の高値圏に浮上したユーロについてけん制するとみられ、リスク選好的なユーロ売り・ドル買いが活発となった場合、ドル円は下げづらいだろう。また、英国と欧州連合(EU)との通商協議が合意に達した場合にはポンド売り・ドル買いが強まり、やはりドル円をサポートしよう。
なお、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で現行の金融政策を維持する見通し。11月開催の議事要旨から資産購入プログラムの対象年限の長期化が議論されており、長期金利の上昇は抑制される可能性がある。ガイダンス強化を織り込む動きが市場で広がった場合、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに強まる可能性は低いとみられる。
【米・11月消費者物価指数(CPI)】(10日発表予定)
10日発表の11月CPIは前年比+1.1%、コア指数は同+1.5%とインフレ率は10月実績をやや下回る見通し。市場予想を下回った場合、FRBの金融緩和観測はやや強まり、ドル売り材料となる可能性がある。
【米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数】(11日発表予定)
11日発表の米12月ミシガン大学消費者信頼感指数は76.3と、11月の76.9からやや低下する見通し。市場予想と一致、または下回った場合、景気減速への懸念が広がり、ドル売り材料となる可能性がある。