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市原悦子さんもこだわった埋葬の形 今4割の人が「樹木葬」を選ぶ理由

都市型、里山形、合祀型…「主な樹木葬」それぞれの特徴と費用の目安(イラスト/藤井昌子)

都市型、里山形、合祀型…「主な樹木葬」それぞれの特徴と費用の目安(イラスト/藤井昌子)

 費用面のメリットもある。

「都市部の一般墓は、1区画が広いのが特徴です。購入しようとすれば当然値段が高く、金銭的に手が出ない人も少なくありません。そうした事情も、樹木葬の需要が高まっている要因といえます」(前出・吉川さん)

 一般墓の購入価格は、全国平均で約176万円。これに対し、墓石を必要としない樹木葬は、約69万円(共に鎌倉新書調べ)と費用を抑えることができる。

 樹木葬は一般墓同様に、仕切られた区画を購入して埋葬する方法と、他人の遺骨とまとめて埋葬される合祀がある。場所にも違いがあり、市原さんが選んだ山林を切り開いた「里山型」と、整備された霊園や寺院にある「都市型」に分かれる。それぞれの特徴と費用は、別図で詳しく紹介した通りだ。

樹木層を選択も親族の猛反対で断念

 樹木葬は宗派などの「従来の形式」にとらわれない点もメリットだ。一般墓で一緒に入ることが難しい、内縁関係のカップルや姉妹などでも入ることができる。さらには、ペットと一緒に眠ることも可能で、女優の遠野なぎこ(41才)は自身のブログで、2匹の愛猫と一緒の樹木葬を検討していることを明かしている。

 いいことずくめに思える樹木葬だが、デメリットや購入時の注意点もある。都内在住の50代男性が苦い体験を振り返る。

「私の父親が亡くなった際、費用の問題もあり、樹木葬の購入を決めたんです。ですが、親戚に報告したら猛反対に遭い、話がスムーズに進まなかった。“一般墓に入れなければ縁を切る”とまで言われてしまった」

 最終的には費用を工面して、小さな一般墓を購入。親戚の意見に従うことになった。

「樹木葬は“宗派にとらわれないことが多い”という点は、メリットになる一方で、それらを重視する人にとっては、不満や物足りなさに直結する。考え方の違いが衝突を生むケースも増えているので、家族や親族とはよく話し合うことが大切です」(前出・井上さん)

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