樹木葬とは名ばかりで、駐車場のような場所にポツンと木が1本あるだけの殺風景なところもあり、自然に囲まれた樹木葬のイメージとはあまりにかけ離れている場所もあるという。
「樹木葬の素敵なイメージだけにとらわれずに、購入前に必ず現地に足を運びましょう。費用や期間などのプラン内容もよく確認しておくことが大事です。数人で入る予定の場合、安いと思って選んだのに、将来的に“一般墓より高くなった”なんてことになりかねません」(前出・吉川さん)
市原さんは場所選びの際に、いま眠る墓苑に何度も足を運び、四季すべての景色を確認してから決めている。また、合祀タイプの樹木葬や、個別埋葬の場合でも遺骨が土に還ってしまった後は、分骨や改葬ができなくなってしまうこともあるので慎重な検討も必要だ。
新型コロナウイルスが猛威を振るっている今年。樹木葬の需要は、さらに増えると考えられている。
「先が見えない状況下で、死生観が変わった人も少なくありません。不況による金銭的な不安を抱えている人も多いと思います。そんななかで、“自然に還ることができる”というポジティブなイメージと、一般墓よりコストがかからないという費用面で、今後、樹木葬を選択する人はますます増えるのではないでしょうか」(前出・井上さん)
さらに、墓じまいで一般墓から樹木葬に改葬する人も出始めているという。日本の墓は「樹木葬」が主流になりつつある。しっかり知識を身につけておきたい。
※女性セブン2021年1月1日号