今年はコロナ禍で帰省を控えようと考える人も多いようだ。実際、12月上旬時点で、JR東日本は年末年始の新幹線・在来線の予約状況が昨年の半分に留まっていることを公表している。依然として感染リスクを警戒する人が多いことが窺えるが、「心配だから老親の顔を見に行きたい」「子供や孫にどうしても帰省してほしい」など、悩みながら帰省する人も少なくないという。
帰省すると決めた場合、どうすればいいのか。まずはどの交通機関を利用すべきか。ナビタスクリニック新宿の濱木珠恵院長が解説する。
「新幹線や飛行機など公共交通機関では“どの席が感染しにくいか”という議論はありますが、他人が乗り込むので予測は難しい。車内や機内の換気を徹底していますが、一定の心配は避けられません。
対して、自家用車の場合は他の乗客と接することがなく、自宅にいるのと同じ環境で帰省できます。車内でもマスクは外さず、会話も控える必要はありますが、飲食する場合は手を拭いたり、人が集まるサービスエリアを利用するときには無闇に手を触れないなどの注意で大丈夫でしょう」
車で都市部から地方へ帰省した場合、心配なのが「他県ナンバー」への近所の視線だ。
実家に「他県ナンバー」が駐車されていることで親や親戚が白い目で見られたり、まして車が傷つけられたりする「他県ナンバー狩り」に遭ったりしたらたまらない。ゴールデンウィークやお盆に多発し、社会問題にもなった。元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。
「今は他県ナンバーが車上荒らしの対象にもなりやすい。防犯カメラや駐車中でも作動するドライブレコーダーを使うのも有効ですが、近所の駐車場に停めることもオススメです。大手チェーンの駐車場なら防犯カメラが設置されているし、ご近所の目を気にする必要もなくなります。そのぶんお金はかかりますが、“この年末年始は特別”だと割り切ってもいいのでは」
近所付き合いを円滑にするためには有効かもしれない。
※週刊ポスト2020年12月25日号