採用されるための「事前準備」にもなる
曽根氏は仕事のパートナー選びや採用面談をする際、事前にSNSなどで相手の情報をチェックすることも多いそうだが、企業の人事担当や副業の発注者もたいてい同じことをしているのではないかと見ている。このため、副業をする人は日頃からSNSを使って発信しておくことも重要だという。
「副業で失敗しないためにも、自分のことを見つめ直す機会は都度必要だと思います。SNSに載せるかどうかは別として、日記を書くのが手っ取り早い。自分のことを“記事化”することで、自分の能力やスキル、長所がより浮き彫りになり、副業のきっかけにもなります」(曽根氏)
しかし、日記をつけることも、SNSやYouTubeで自分を発信することも、なかなか踏み出せなかったり、長続きしなかったりするのも現実だ。それらが苦手な人はどうすればいいのか。
「例えば、弊社では社員全員に『Wantedly』(ウォンテッドリー=ビジネスSNS)に仕事のことや自己紹介的なことを記事化してもらい、載せています。継続的にやるのは大変ですが、一度くらいなら何とかできるのではないでしょうか。SNSをやらない人は、こうした“記事”へのリンクをメールに貼り付けるだけでもいいと思います」(曽根氏)
もちろん自分の情報をメールの署名欄に直接書き込むのもありだが、ダラダラと長く書くのは逆効果。リンクの場合も含め、「オンライン名刺」は1テーマ5秒程度で読めるように、テーマごとに短くまとめるのが理想だという。
「オンライン時代だからこそ、ある程度、自分の情報をウェブ上に載せておかないと、新たなビジネスチャンスをものにするのは難しいのかもしれない。しかも、最近はメールではなく、メッセンジャーアプリが仕事のやりとりでも主流になりつつある時代。より短時間で自分のことを相手に知ってもらう工夫が必要だと思います」(山田氏)
山田氏の最新刊『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』の中でも、副業で成功するための様々なコツが、マンガでわかりやすく描かれている。副業だけでなく、あらゆるビジネスチャンスを掴むための大きなきっかけになるかもしれない。
※『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』発売記念対談より抜粋して再構成
【プロフィール】
山田真哉(やまだ・しんや)/公認会計士、税理士。1976年、神戸市生まれ。大阪大学文学部卒業後、中央青山監査法人/プライスウォーターハウス・クーパースなどを経て独立。『女子大生会計士の事件簿』(シリーズ100万部)、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)など、著作活動も注目されている。YouTubeの『オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する』はCH登録者数が約15万人(2020年11月時点)で、「公認会計士YouTuber」として第1位。最新刊は『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』。
曽根秀晶(そね・ひであき)/ランサーズ株式会社取締役、新しい働き方研究所所長。1981年、長野県生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、経営コンサルタントとして20を超えるプロジェクトに従事。その後、楽天株式会社に入社し、国内の営業・事業企画の経験を経た後、海外M&A・全社戦略などを担当。現在はランサーズで経営戦略の立案、新規事業の推進などの統括を務めている。
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