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「なんで俺だけ…」東大卒同士の出世競争で取り残された30代平社員の落胆

東大卒同士の出世争い、敗因は?(イメージ)

東大卒同士の出世争い、敗因は?(イメージ)

 東大卒といえば、「エリート」で「出世頭」というイメージが強い。だが、大手企業であれば東大卒の社員が複数人いることは珍しいことではなく、同じ東大卒同士で出世を争うケースも出てくるだろう。もちろん競争に負けると、同じ東大卒でも出世できない人が出てしまう。その差はどこにあるのか。

 東京に本社を置く東証1部上場メーカーに就職した東大卒のKさん(30代男性)。同期にはほかに東大卒の男性社員が2人、AさんとOさんがいた。同期社員の出身大学を見ると、他にも京大や東工大、早慶など有名大学ばかりで、入社時から熾烈な出世競争が予想された。ちなみに文系出身のKさんとOさんだけでなく、理系出身のAさんも総合職だ。

 Kさんは、将来的には本社でバリバリ経営に関わりたいという夢があった。しかし、最初の配属先は関西の工場。一方、同じ文系総合職のOさんは、本社のコーポレート部門で、経営企画を担う部署。Aさんも本社の新規事業を立ち上げに関わる部署に配属となった。

 Kさんは「なんで東大卒なのに俺だけ本社じゃないんだ」と言わんばかりに、先輩社員に「間違いですよね?」と確認したほどだ。すると先輩は「新入社員の8割は工場勤務になる」ことや、「現場を知っているほうが後々昇進しやすい」とKさんに諭すように教えてくれた。その説明に納得したKさんは、他の2人よりも“一歩リード”した感覚さえあったようだ。

 工場への配属から2年後、待ちに待った異動の通知がやってきた。Kさんは当然のように「本社に戻れる」と確信していたようだが、またしてもその期待は裏切られる。今度は、九州の工場配属になった。

 一方その頃、Oさんは本社で順調にステップアップしており、周囲からの評価も上々。Aさんは若くして、社内で出世コースとささやかれるアメリカ駐在が決まった。

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