相続人なら最低限もらえる割合の「遺留分」も持ち戻しの対象だったが、相続法改正によって、持ち戻しの対象になるのは“直近の10年間の贈与”のみ。受け取ってから10年経過したお金は対象外となっている。
「たとえば、20年間、毎年100万円ずつ、計2000万円を生前贈与されていたとしても、前半の10年分の1000万円は遺留分の算定に含めません」
ほとんどの人が相続税とは無縁のため、財産を減らすことは節税どころか損になるのだ。
「なかには、“生前贈与で子供にお金を渡しておかないと、介護が必要になったときに面倒をみてもらえなくなるんじゃないか”と不安がる人もいます。しかし、先にお金を渡してしまって、本当に介護が必要になったときに使えるお金がない方が、子供は困るのです。手元にあまりお金がない場合、感謝の気持ちは元気なうちに言葉で伝え、金銭は自分の死後に相手に渡るようにした方がいいでしょう」
※女性セブン2021年1月14日号