マネー

「24時間自分を犠牲に…」相続で特別寄与料を請求するための厳しい条件

遺留分を無視すると、争いの火種になることも

遺留分を無視すると、争いの火種になることも

『プロが教える 相続でモメないための本』(アスコム)の著者で相続終活専門協会代表理事の江幡吉昭さんは、「特別寄与料は“介護専門の業者にお願いしたらこれだけのお金がかかっていたはずだから、その分を介護してくれた人に寄与しよう”というもの」だと説明する。

「どれくらい頑張ったか」が基準であるがゆえに、トラブルにもなりやすい。同居して毎日のように介護に追われたとしても、ほかの親族から「家賃も食費も払わずに、いい思いをしていたんでしょう」「遺産目当てだったのか」などと脅し文句を言われ、争いになることも少なくないのだ。

「日当×介護の日数で決めるといっても、介護が必要になった起算日もわかりにくい。徐々に認知症が進んだ場合は、要介護認定を受けた日よりも前から介護しているケースも多い。働きに見合わない額であることも多く、受け取れてもせいぜい200万~300万円ということも」(明石さん)

 特別寄与料は、介護されていた人が亡くなった後に相続人から受け取るため、後になってからもめたり、金額が減ったりすることも多いという。こうしたトラブルを避けるためには、被相続人に遺言書で特別寄与料を渡す意思を残しておいてもらうのが最善だ。

「弟しか身寄りのない女性が、“介護してくれていた隣人に特別寄与料として全財産を渡す”と遺言書に書いていたケースがあります。当然、弟は不満を訴えましたが、兄弟姉妹には遺留分がないため、弟は何も相続できず、女性を最後まで介護した隣人が相続しました」(江幡さん)

※女性セブン2021年1月14日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。