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「おひとりさま」市場の拡大に当事者たちの本音 「特別扱いしないで…」

「おひとりさま」の呼称に違和感

「おひとりさま」の呼称に違和感

 すっかり定着した「おひとりさま」という言葉。飲食店などに1人で訪れる客を指す言葉として使われることが多いが、結婚しないライフスタイルも当たり前の時代になり、多くの業界が「おひとりさま」を対象としたサービスを提供し始めている。

 外食、カラオケ、住宅、旅行など多数の分野で、今後もおひとりさま市場は拡大していくと予想されるが、そんな盛り上がりとは裏腹に、「おひとりさま」への“特別扱い”に違和感を抱く当事者たちもいる。彼ら/彼女たちの本音とは。

「ネガティブな印象を払拭しようとしているんでしょうが、今となっては、1人で楽しむ趣味や嗜好って、別に特別ではないと思うんです。もう令和ですよ。最近、あるテレビ番組の企画で、1人では挑戦しにくいものを格付けする『おひとりさま難易度』というのをやってたんですが、ネタにされている感じで、すごくモヤモヤしました」

 そう話すのはIT企業で働く30代の男性・Aさん。「難易度」と表される背景には、“1人でいることはかわいそうで、苦痛である”という偏見がまだまだ根深く存在するのではないかと、分析する。

「まったく苦ではないし、なんなら1人のほうが楽です。そもそも、好きなことなら誰にも邪魔されずに1人で楽しめる時間にこそ喜びを感じます。そういうことが理解されてないから、異質で“特別なもの”として扱われるのでは」(Aさん)

 商社業界で働く30代の女性・Bさんは、「おひとりさま向けプラン」「おひとりさま歓迎」「おひとりさま席」という、「おひとりさま」を前面に出したサービスに違和感を抱く。

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