コロナ禍により自宅で過ごす時間が増えた今、より快適な環境で「おうち時間」を過ごしたいと願う人は多い。そんななか、プロに家事を依頼する家事代行サービスのニーズが高まっている。とはいえ、すべてのサービスで満足いく結果がでるわけではないようだ。今回、初めて家事代行サービスを利用したという30代女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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「以前から家事代行サービスには興味がありました。でも値段的に躊躇してしまって……。そんな時に知ったのが、家事代行のマッチングサイトでした。でも、いざ利用してみたら……まさに安かろう悪かろうでした」
そう語るのは、都内在住の健康食品会社勤務、佐伯さゆりさん(仮名・31歳)。家事代行マッチングサービスを初めて利用したが、モヤモヤとした気持ちになったという。
比較的安価な家事代行マッチングサイトの利用を決めた佐伯さんだが、ほどなくして、サイト内で評価の良い60代の女性(以下、Aさん)に依頼することになった。料金は3時間で5000円程度だったという。
依頼内容は、自分ではなかなかできない水回りの掃除が中心。やり取りは事前にメッセージ交換で行ったが、Aさんも快諾してくれ、当日を迎えるのが楽しみだったという。
待ちに待った家事代行当日。しかし佐伯さんは、「満足のいく3時間ではなかった」と、肩を落とした。
「依頼した水回りは、風呂・トイレ・キッチン・洗面台。3時間あれば十分できるはずですし、メッセージの段階で伝えてあります。しかし終わったのは、風呂とトイレと洗面台のみ。掃除に1時間以上かかったという風呂でしたが、正直、私が簡単にやるのと差はなかったです……」(佐伯さん、以下同)
そもそも家事代行サービスには、大きく2パターンに分けられる。一つは、企業側が派遣する家事代行スタッフの研修や管理を行うもの。料金は1時間当たり3000円程度と値が張るが、高い満足度を得られるといわれている。