しかし、あなたの場合、一方的にお金がないと思い込んだのではなく、離婚に際して前夫が何も無いと騙していたとすれば、その不誠実な行為は不法行為であり、騙されたことで財産分与の機会を失ったことが損害といえます。
騙されたことを知ったのは最近ですから、時効になっていません。
例えば、当時のメールや手紙のやり取り、離婚協議の際に立ち会ってくれた人の証言などで、前夫の嘘が証明できた場合には、損害賠償を請求できると思います。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号