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熟年離婚の話し合い 「ふざけるな!」の一言で慰謝料支払いのリスクも

離婚協議は冷静に進めるべき(イメージ)

離婚協議は冷静に進めるべき(イメージ)

 女性誌はいま、離婚特集が花盛りだ。ページをめくると、〈女性が「完璧で幸せな離婚」をするために知っておくべき最低限のこと〉〈妻が損をしない離婚〉〈熟年離婚で大切なのは「財産分与」と「婚姻費用」〉など、離婚を勧める刺激的なタイトルばかり目に飛び込んでくる。毎日顔を合わせ、何食わぬ顔で笑っている妻が、もう何十年も前から虎視眈々と離婚の好機を待ち続けている……そんなドラマのような話が現実のものになっている。

売り言葉に買い言葉で慰謝料に!?

 離婚なんてまったく想像もしてなかった夫にしてみれば、「これまで家族のために懸命に働いたのに、こんな扱いは許せない……」といった怒りもこみ上げてくるだろう。しかし、感情を爆発させると、自分が不利な立場になるばかりだ。フラクタル法律事務所代表の田村勇人弁護士が指摘する。

「話し合い中に興奮して『ふざけるな! 出ていけ!』と暴言を吐いた際、妻がこっそり録音して、『夫婦関係の破綻を夫が認めた』証拠に利用されることがあります。妻がわざと挑発することもあるので、売り言葉に買い言葉は禁物」

 妻の弁護士から「何度も不貞行為をしましたね」とカマをかけられた夫が、「ふざけるな! 一度だけだ!」と思わず認め、慰謝料請求につながった例もある。軽率な発言には要注意だ。

孫に会えなくなる最悪シナリオも

 妻とは骨肉の争いになっても、子供や孫とのつながりは断ちたくない。

「間違っても『どっちにつくんだ!』と子供を責めてはいけません。高齢の男性は孤独になるのが怖いから離婚騒動に子供を巻き込み、かえって子供から煙たがられてさらなる孤独に陥りがちです。子供との関係性が壊れたら孫にも会えなくなり、一層孤立して寂しい老後になります」(田村氏)

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