まだ残りがあるのに、ストックを買ってしまう――。もともと買い込むクセがある人たちは存在したが、新型コロナウイルスの影響から、今まで以上にストックに意識が向いている人たちが増えているようだ。
昨年4月、スーパーやコンビニなどでマスクやトイレットペーパーなどの品切れが続出した。いつモノが不足するかわからない不安が生じたことで、ストックを欠かさなくなった人も少なくないようだ。40代の主婦・Aさんもその1人。
「トイレットペーパーやティッシュペーパー、マスク、水、洗濯洗剤、レトルト食品、化粧水などをストックしています。予備がないと不安になるようになりました」
もともとAさんは、まったくストックする習慣がなかったが、現在はそれぞれ2週間分くらいは予備を買いそろえているという。すると、置き場に困るようになってきた。家の1部屋が倉庫化しつつあり、夫から「買いすぎ」だと指摘されることもしばしばだ。
「ドラッグストアに行って、商品を見かけると『補充しなきゃ』という焦燥感のようなものが襲ってきて、ついつい買ってきてしまいます。特に使用期限がないものはなおさらです」(Aさん)
人材サービス会社で働く30代の男性・Bさんは、1人暮らしだからこそ必需品や消耗品は「いくらあってもいい」という考え方で、日用品や食料品のストックを切らさないように“在庫管理”を欠かさないそうだ。
「東日本大震災以降、なるべく必要なものは備蓄しておきたいと思って、すっかり習慣になりました。食品は缶詰やレトルトカレー、即席めん、冷凍野菜や肉。日用品ではトイレットペーパーやティッシュ、マスク、シャンプー、洗顔料、洗濯洗剤といったところでしょうか。コスパが良ければ大抵のモノは大容量の業務用でいいんですが、シャンプーなどのお気に入りの銘柄があるものは多めにストックしています」(Bさん)
Bさんは最近、お酒のストックが増加傾向にあるという。新型コロナ感染予防のために居酒屋には行きにくくなり、家で飲む機会が増えたためだ。