スマホで投資する「ロビンフッダー」の登場
それでは、人とお金が集まる「ニューエコノミー」とは何か。いま、世界では新型コロナ・ショックによって「情報通信革命」がかつてないスピードで進んでいます。コロナ禍でリモートワークが進み、アメリカでは「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」を中心としたインターネット関連企業が業績を拡大。株価も大きく上昇しています。
日本でも、ネットショップ開業を支援するIT企業「BASE」の株価が3月の安値から20倍以上になりました。ほかにも、9月に新規上場したITコンサルの「ヘッドウォータース」が初めてつけた株価(初値)は上場前の公開価格の11.9倍にも膨らみました。人気の高いIPO(新規上場)株は抽選でないと入手できませんが、運よく当選して売り抜けた人は一夜にして12倍近い儲けを手にしたわけです。
日本では菅政権がデジタル庁の創設を打ち出したことで、今後さらにネットやデジタル関連企業に人とお金が集まるはずです。これが「ニューエコノミー」と呼ばれる分野であり、格差バブルの正体なのです。何も自分でIT企業を立ち上げたり、就職したり、システムエンジニアになる必要はありません。お金持ちになりたいならば、将来の成長が見込める会社の株を買えば、自分のお金も増えていくんです。
実際、アメリカでは「ロビンフッド」という株式取引のスマホアプリで売買を行う個人投資家、いわゆる「ロビンフッダー」が急増しています。スマホで1000円、1万円という少額投資が手軽にできるからです。日本でも10万円の特別定額給付金などを元手にした「給付金トレーダー」と呼ばれる個人投資家が増え、SBI証券や楽天証券などのネット証券で新規口座の開設が相次いでいます。
はっきり言って、バブルは投資家にとってチャンスです。日経平均株価はリーマン・ショック後に7054円(2009年3月)という底値をつけ、すでに3倍以上に上がっています。さらに2021年には4倍の2万8000円、あるいは3万円を超えてもおかしくないと、私はみています。