前述した通り、今年4月から「70歳就業法」が施行され、65歳以上からは業務委託契約の締結など働き方が多様になる。
しかし、業務委託となると、厚生年金や労災、雇用保険が適用外になり、社会保障面が手薄になる。その上、「年金をカットされない」というメリットもほぼなくなる。だからこそ北村氏は、「65歳からも働き続けるなら、会社員の方が得」だと指摘する。
「65歳以降も会社員を続ければ、厚生年金の保険料を払い続けるので、老後の年金が増えていきます。年金をもらいながらしっかり稼ぐことが求められる定年消滅時代においては、会社員の方がメリットは大きくなる」
新ルールに対応すれば、「賢く働いて年金をしっかりもらう」が両立できる。そのためには、40代、50代のうちからの早めの準備と行動が重要になる。
※週刊ポスト2021年1月29日号