コロナ禍で収入が減ってしまい、副業を始めたいという人も少なくないはず。副業といえば、以前は内職や飲食業、パートタイムが主だった。しかし最近は、「スキルを売る」副業が注目を集めている。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんが話す。
「スキルがお金になるというと、特に専業主婦の人は“私にはスキルなんてない”と思いがちなのですが、そんなことはありません。家事も子育てもすべて副業に生かせます。『タスカジ』などの家事シェアサービスでは、主婦のスキルそのものが商品です。コロナ禍で東京都はベビーシッターの利用に助成金が出たこともあり、ベビーシッターの需要はますます伸びていて人手が足りていません」
ベビーシッター業界では、経験豊富で安心感のある高齢者が歓迎されるという。在宅ワークでも、シニア層の活躍の場が広がっている。『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』(小学館)の著者で公認会計士・税理士の山田真哉さんが話す。
「かつての塾は集団指導でしたが、いまは個別指導が人気です。すると生徒に対して講師の数が不足するので、勉強が得意だったというシニアの人たちも講師として活躍しています」(山田さん)
スキルマーケットの「ココナラ」、仕事マッチングサイトの「クラウドワークス」、社会人のためのインターンシップサービス「サンカク」など、サイトにはそれぞれ個性がある。どんな特技でも収入につなげられる時代だと副業情報サービス「フクポン」を監修する副業プランナーの中野貴利人さんが話す。
「『サンカク』を介して、60代のプログラマーを雇ったという企業の話も耳にしたことがあります。『ココナラ』では、恋愛相談や占いなど、自分の趣味を切り売りして稼いでいる人もいます」
人の話を聞くのが得意なら、電話で相手の愚痴を聞くだけの仕事や、ゲーム好きなら、オンライン上で一緒にゲームをやるだけの仕事などもある。