ただし、コロナ感染があった職場だと、感染リスクがあります。労働者は本来の労務で予想されていない危険な業務の就労を断われるので、消毒や濃厚接触者の出勤停止などの感染防止策が取られるまでは出社を見合わせても、会社は解雇できません。繰り返しになりますが、こうした特別な事情がない限り、出社拒否はできません。
とはいえ、理由もわからないままでは面白くないでしょう。直接、上司に尋ねたらいかがですか。健康的で安心、一番頼みやすく信頼できるなど、高評価ゆえの指示だったのかも。特に理由がない場合、上司は他の社員に業務を頼むなどの対応を検討すると思います。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2021年2月5日号