自粛生活で夫が家にいる時間が長くなったことで、家事を手伝わない夫にイライラする妻のため息があちこちから聞こえてくる。
しかし、ただ家事をしない夫が悪いのでもなく、妻たちにも原因がある。夫本人に「こうしてほしい」という自分の気持ちを伝えなくては、家事の負担は一向に減らないのだ。諦めず根気よく、夫に家事を教えてくることも大事ではないだろうか。
それでは、どの家事から教えたらいいのか。家事研究家の佐光紀子さんは、妻の側で決めず、まず本人の意向を聞くことを提案する。
「夫に何をするか選んでもらうのは、その家事に責任を持って取り組んでもらうために有効な方法です。
たとえば『お風呂掃除とゴミ出しと洗濯だったら、何ができそう?』と聞くのがいい。夫が『ゴミ出し』を選んだら、分別表や収集カレンダーを渡して説明し、そこから先はゴミ袋の補充も含めすべて夫に任せること。最初は出し忘れや失敗もあると思いますが、静観しましょう。その姿勢が大切です。やり方が自分と違っても口は出しません」
あれこれ言いたくなってしまう妻も多そうだが、任せるべきだと佐光さんが続ける。
「皿洗いを任せたら、すべての食器がちゃんと乾くように工夫して、妻よりきれいに食器を水切りカゴに並べた例もあります。夫の方がいいやり方を見つけ出すこともあるし、自分で一通りやってみることは自信にもつながり、得意な家事を見つけるきっかけにもなる。つまるところ、家事は“習うより慣れろ”。続けることで徐々に上達してもらいましょう」
今まで家事をまったくやってこなかった夫が、いきなり全部できるわけはない。少しずつできるようになるまで、妻の側にも根気が必要となるだろう。
※女性セブン2021年2月18・25日号