厚労省の『国民生活基礎調査』(平成30年)によれば現在、65才以上女性の12.9%が子供夫婦と同居している。一見少ないようだが、共働きの増加や経済的な事情で、近居を含めたその数は今後増えるという見方もある。姑との距離が近くなればその分、確執は増す。
「義実家に気に入られようとがんばる嫁ほど、関係を悪化させる傾向にあります」と話すのは、夫婦問題に詳しいキャリアカウンセラーの川崎貴子さんだ。“デキる嫁”だと思われたいがために姑の言うことを聞き続け、結局疲弊して、姑のことが疎ましくなるのだという。
「大切なのはスルーする力。明確な悪意を持ってお嫁さんと接するお姑さんは少数派です。たいていの場合、自分のやり方を変えるのが面倒だったり、社会性に乏しく空気が読めないだけ。お嫁さんは最初からできないことはできないと伝えることが大切。遠慮していると自分の首を絞めることになります」(川崎さん)
そんななか、なんとか姑を上手くかわす技を身につけた38才パート勤務の女性が、自身のエピソードを明かす。
* * *
4才年上の夫とは、職場結婚でした。ところが、私が37才のときに夫はストレスからうつ病となり、退職。家賃が払えなくなって引っ越しを考えていたとき、お姑さんから「うちは部屋が余っているから一緒に住まない?」と提案されました。貯金も少なく、今後どうなるかもわからない。引っ越しの出費を抑えたかったし、お姑さんに夫や子供を見てもらえれば、私も働きに出やすいという打算もあって、その提案にのることにしました。
とはいえ、申し訳ないので、家事は私が担当することに。ところが1週間ほどで、「もうがまんできない!」とお姑さんがイライラを隠さなくなったんです。理由は私の家事のやり方について。