2度目の緊急事態宣言が出て以降、再び在宅勤務生活に戻ったという人も少なくないだろう。こうした働き方の変化は、夫婦関係にも影響をもたらしている。在宅勤務への対応に追われる夫の裏では、妻たちのイライラや不満も募っているようだ。
明治安田総合研究所の調査(2020年7月)によれば、専業主婦の4人に1人が夫の在宅勤務を「望まない」と回答。「夫がずっと家にいることで家庭不和になり子どもに悪影響なため」といった理由が見られたという。
またニッセイ基礎研究所による「第1回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」(2020年6月)によれば、家事時間は全体で2割弱が増加するも、男女で差が見られた。男性では10~15%で増加していたが、女性では25~30%と、男性と比べて割合が高かった。夫の在宅時間増加により、家事負担が増えた妻は何を思うのか。
「もう限界でした。2度目の緊急事態宣言では、離婚も覚悟していたほどです」。都内在住の30代主婦・Aさんは、夫の在宅勤務で気が休まる時がなくなったという。
大手メーカーで働く40代の夫は、1度目の緊急事態宣言が発令されたばかりのときは「家にいるから、少しは家事を手伝えるかな」と調子の良いことを言っていたそうだが、その後コロナ前よりも態度が大きくなった。
「結局、家事が苦手でやる気もないようで、『俺がやっても迷惑になるだけだから』『得意な君がやった方がいい』など、何かにつけて私にすべて押し付けてきます。4歳の息子がうるさい時には、『今、会議中だから静かにさせろ!』と怒鳴られたことも……。私からしたら、夫は地声が大きいので、会議の声も騒音でしかない。一度『静かにして』と言ったら、『こっちは仕事なんだ!』と言われてしまいました。理不尽に耐えながら、息を殺して生活しています」(Aさん)