合コンには大学名を隠して参加
一部上場企業に勤務する30代の男性会社員・上田さん（仮名）は、ことあるごとに「東大なのにそんなこともできないんだ」「勉強ばっかりしてきたから、“コミュ障”でしょ」などとイジられてきた経験を吐露する。
「正直、東大生もピンキリです。医者、弁護士、官僚といった難関試験を突破する人たちはもちろん、クイズ番組に出るような博識の人もいれば、全然フツーの人もいる。興味がない分野の知識が全然ない人だって、当たり前にいます。
僕は新入社員のとき、FAXの送付状を知らなかったことで、『東大卒の人って一般常識ないの？』とイヤミを言われたことがあります。それまで学生で、しかも僕の家にはFAXなんてなかった。使ったことがないというだけなのに、何か知らないことがあるだけで『東大卒なのに』と言われるのは、本当に面倒です」（上田さん）
上田さんは、このときの経験を“洗礼”と受け止めているという。
「東大卒ということに対して、いったんイヤミを言わないと気が済まない人っているんだな、というのが、社会に出てわかりました。だからなるべく東大卒って言いたくないんですけど、会社の人ってみんな学歴が好きなんですかね。だいたいみんな、僕の学歴を知っています。気持ち悪いです」（上田さん）
上司から、客先などで「コイツ、こう見えて東大卒です」と紹介されることが多いという上田さん。その度に「それ、いるかなあ？」と疑問に思うそうだ。
東京工業大学大学院卒で、大手メーカーに営業職として勤務する30代の女性会社員・前川さん（仮名）によれば、学生時代の合コンでは“学歴隠し”が横行していたという。
「学生時代は、私も先輩たちも、合コンでは学歴を隠していました。女性で工業大学は珍しいので、驚いてもらえるのはいいんですけど、ちょっとビビられることがあって……。話が合う理系の男性とかなら、めちゃくちゃハマるんだけど、初対面で学歴を明かすのはリスクが大きい。様子を見ながら身分を明かす、みたいな感じでした」（前川さん）
