「先日、『一緒にドラッグストアへ行こう!』と言われ連れて行ったら、こっそりとコスメがカゴにいれられていました。決して高いものではないんですが、私のパート代も減っているので、今は1000円でも節約したいのが本音です」
馬場さんはクリーニング工場でパートとして長年働いていたが、メインであるホテルで使用されたリネン類の扱い依頼がコロナの影響で激減。現在は週2日ほどのシフトで働いており、月3万円程度の収入になったそうだ。幸い、娘たちの学費は貯金から捻出できているものの、生活に関わる出費は毎月のように赤字であると嘆いていた。
夫は公務員のため収入面でコロナの影響は受けていないが、年間100万円を超える高額な学費が2人分もあるため、馬場さんのパート代がないと生活には全く余裕がないという。
「バイトはできない、大学授業はオンライン……。暇を持て余した娘たちは、自宅にある不用品をフリマアプリで売却してお小遣いを稼いでいるようです。前はおねだりしてくることもあったのですが、今ではほとんどありません。娘たちに余計な気を遣わせていると思うと、親として情けないです……」
新型コロナウイルス感染の長期化により、様々な業種に大きな影響が出ている。馬場さんのようなケースの家庭も少なくないはずだ。この先、経済的な打撃はいつまで続くのか。そして私たちはこの状況に対してどのように対処していくべきなのか。正面から向き合う必要があるのかもしれない。