投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月8日~2月12日の動きを振り返りつつ、2月15日~2月19日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は、大幅続伸となった。米議会で予算決議案が可決され、バイデン政権が提示する1.9兆ドル規模の追加経済対策の成立が可能となったことが好感され、週明け8日の日経平均は一段高でスタート。米国での追加経済対策については、以前から民主党政権が財政調整法を活用する形で大規模かつ早期に成立することが期待されてきたが、実施の目処が立ったことが一段と好感されたようだ。また、主力企業の相次ぐ業績上方修正などもセンチメントの改善につながり、日経平均は週初から600円超の大躍進劇をみせ、29000円を大きく突破した。
その後も、ワクチン普及の加速に、米国での追加経済対策への成立期待、そして、主力企業の好決算という好材料を背景に先高観が一層強まる形となり、翌9日、10日も、日経平均は旺盛な押し目買い意欲に支えられ、利益確定売りをこなしながらもじり高基調を続けた。祝日を挟んだ後の週末12日も、売りに押される場面がありながらも、結局下げ渋って29500円の小節目を保持して週を終えた。
個別では、決算を受けた物色が主体となったが、日本製鉄<5401>や神戸製鋼所<5406>などの鉄鋼関連から、トヨタ<7203>を筆頭とした自動車関連など、景気敏感株の買いが目立った。景気回復期待が強まり米長期金利も高止まりするなか、村田製作所<6981>や太陽誘電<6976>などの電子部品セクターの一角が軟調だったのも特徴的な一週間だった。ただ、他方で、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>といった半導体関連株は旺盛な押し目買いのもと大きく上昇し、ハイテクが一緒くたに売られたわけではなかった点には留意すべきだろう。
今週の日経平均は引き続き堅調な展開が想定される。日経平均は今年に入ってから既に2000円超の躍進劇をみせており、2月5日からの直近5営業日だけでも1000円程の大幅上昇となっている。大幅高の背景となった主力企業の10-12月期決算が一巡したことで、目先は新規の材料難となり、ここからの日経平均は、大台の3万円を手前にしばらくは上値の重い展開となりそうだ。しかし、大勢強気ムードは保持され、上値が重い一方で下値も堅い踊り場局面となることが予想される。
これだけの急ピッチで上昇してきたため、普通であれば、短期的な過熱感から急騰後の2、3日は利益確定売りに押される場面があっても不思議ではない。しかし、5日と週明け8日の2日間で合計1000円超も急伸した日経平均は、翌9日も10日も、少しでも下がったところがあれば、即座に切り返す底堅い動きをみせ、結局、両日とも上昇し日足チャートは陽線を形成、週末も底堅さを見せた。ここから旺盛な押し目買い意欲が窺える。