音楽大手のエイベックスは、本社が入るエイベックスビル(東京・南青山)を約720億円で海外の不動産ファンドに売却すると発表。電通グループも地上48階建て、高さ約210mの電通本社ビル(東京・汐留)を国内最大級の3000億円程度で売却する検討に入った。
「両社が本社自社ビルを手放すのは、今ならある程度の高値で売却できるからでしょう。コロナにより、これまで本社所在地としてステータスとなっていた不動産を手放す動きは、他社にも波及するのではないか」(榊氏)
1年ほど前の緊急事態宣言中は、家賃支払いに苦しむ“店子”を横目に“土地持ちは安泰”という見方もあったが、状況は大きく変わった。土地は裏切らない──そんな不動産神話が揺らいでいる。
※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号