「MCIの時点での給付額は決して大きくありませんが、“一時金が出るなら早めに検査を受けてみよう”という動機付けにつながると考えています。結果としてMCIの段階で早期発見できれば、生活習慣改善やトレーニングで症状の改善を期待できる。そうした意図から生まれた商品です。
その一方、症状が進んで認知症と診断された場合、同じグループが運営する介護施設『SOMPOケア』のサービスを紹介するといったサポートにも取り組んでいます」(同前)
各社が力を注ぐ分野となっているだけに、商品の特徴は様々だ。たとえば、朝日生命の「あんしん介護 認知症保険」であれば、終身保障の年金タイプの契約が可能だ。損害保険会社の商品だと、東京海上日動火災保険の「認知症あんしんプラン」では、行方不明時の捜索費用などが補償内容に含まれている。
現在は、自治体が民間保険に加入し、認知症高齢者が事故などを起こした際の賠償保障が用意されていることもある。いま住んでいる自治体の運用する制度を確認し、足りないところを自ら民間保険に加入してカバーしていくという考え方になる。
月々の保険料は数千~1万円台のものが多いが、商品ごとに、加入時の年齢やどこまで保障を充実させるかによっても金額は変わってくる。長期にわたって加入するとなれば、保険料負担も決して小さい額ではない。加入にあたっては家族でよく話し合い、将来のリスクにどう備えるかを考える機会としたい。
※週刊ポスト2021年4月1日号増刊『週刊ポストGOLD 認知症と向き合う』より