働く世代も難局が続く。コロナ禍で昨年の完全失業率は2.8%とリーマンショック以来の水準に悪化、休業者数は過去最多の256万人にのぼるが、緊急事態宣言が3月に解除されると雇用環境はもっと厳しくなる。
政府は宣言が全国的に解除された翌々月から休業者に支払う「雇用調整助成金」の上限を1日1万5000円から1万3500円にカット。さらに現在は国が全額負担している中小企業への助成率を9割に引き下げる。
この休業手当への“助成打ち切り”によって、社員を休業させていた企業の負担が増え、解雇に踏み切るケースが増えると予想されている。
コロナ対策に財政資金を使い過ぎた政府が、これからは国民からカネの回収に回るのだ。荻原氏が語る。
「昔は会社は社長と従業員のものだったけれど、今は株主のものです。株高で儲かったら株主への配当に、損をしたら従業員が尻拭い。官製相場がそれを助長している」
株に投資する余裕がない多くの国民にとっては踏んだり蹴ったりの株価3万円なのである。
※週刊ポスト2021年3月12日号