それでも、春の気候を感じながら森林浴などでリフレッシュしたいと思う人もいるだろう。そんな人に耳寄りな情報がある。花粉を飛ばす代表的な植物として知られるスギの木だが、実は全てのスギが花粉を飛ばすわけではない。たとえば千葉県北東部にある山武市で250年以上にわたり栽培されている「サンブスギ」は、スギ花粉を飛ばす雄花がほとんどない。山武市のスギ林の87%がサンブスギであるため、マイカーでドライブがてら山武市の「さんぶの森公園」や九十九里浜の「蓮沼海浜公園」などを訪れ、森林浴で鋭気を養うのもいいかもしれない。
そのほか、近畿地方では京都市北部育てられている「北山杉」もある。北山杉は実がならないため、花粉を飛ばすこともない。京都市街から北西に20kmほどで行けるため、観光のついでに足を伸ばしてみてはどうだろうか。春の到来を着実に感じさせる休日になるだろう。
【プロフィール】
田家康(たんげ・やすし)/気象予報士。日本気象予報士会東京支部長。著書に2021年2月に上梓した『気候で読み解く人物列伝 日本史編』(日本経済新聞出版)、そのほか『気候文明史』(日本経済新聞出版)、『気候で読む日本史』(日経ビジネス人文庫)などがある。