ネットの匿名掲示板等で「釣り」だか本当かは分からないものの、「デートしたら相手の男が割り勘を要求。信じられない」といった書き込みが時々、話題になる。この議論は毎度活性化するも、結論がまったく出ないイシューでもある。果たして何が正解なのか、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が自身の体験をもとに考察する。
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女性向けの匿名掲示板では、デート代が割り勘になった件について「デート代を女性に割り勘させるのだってありえないのに!その男性、なんとまあー、せこくてケチだこと」や「しょぼい男が増えたもんだねぇ。情けなくなる」などの声がよく書き込まれます。
一方、「男性に奢ってもらったり、多く払ってもらうのを期待するのは少し傲慢だと思います」という声も。
私(47歳)が若い頃は「デートはすべて男が払うもの」という不文律のようなものがありましたが、最近20代のカップルに聞いたところ、「基本割り勘。ただし、金欠になったらその時は互いに助け合う」という返事が来ました。さらには女性の方が「だって○○君(彼氏のこと)より私の方が給料多いですから」とも述べました。
かつての男性はマッチョ志向というか、「男たるものデートは全部オレが出すものである!」といった感覚を持っていました。一方、ネットの掲示板ではその風潮に対して男性と思われる人による嘆きも見られますし、正解はないのでしょう。また、「バブルの時期に散々奢られた経験を持つ女性は、奢られるのを当たり前だと思っている」という説もあります。
これについては「そうだっけかな?」と思うこともしばしばあります。私よりも数歳年上のそうした女性と飲んだ時、「男が奢って当然」という態度を取られたことはありません。結果的に全額私が払うことはありましたが、大抵の場合「せめて3000円だけは払わせて」などと端数を払ってくれたものです。あるいは、「今日はあなたが出してくれると思っていたから、代わりにお土産を持ってきました」と呑兵衛な私にとっては嬉しい珍味の瓶詰なんかを用意してくれていて、これはスマートだと思いました。
支払いのタイミングで、「いいですいいです」「いや、そういうわけには」「本当にいいですいいです!」「いえいえいえ、払います!」という、接待みたいなやり取りをするのもみっともないので、先方がお金を出してくれた場合は「ありがとうございます」とやっていたのですが、男が奢って当然と考える人からすれば「そこで拒否できないのが情けない!」などと言いたくなるのかもしれませんね……。