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【日本株週間見通し】日経平均は一進一退? 米長期金利なども影響か

先週の日経平均は荒い値動きで推移、今週はどう動く?

先週の日経平均は荒い値動きで推移、今週はどう動く?

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月1日~3月5日の動きを振り返りつつ、3月8日~3月12日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は、引き続き米長期金利(10年物国債)の動向に一喜一憂する展開となった。週初は急騰していた米長期金利の落ち着きを受けて、半導体など中心にハイテク株が大きく買い戻され、日経平均も700円程反発して前週末の急落分の半値戻しを達成した。翌2日は米ISM製造業景況指数が市場予想を上回る数値だったが、過度なインフレ加速懸念には繋がらずにむしろ相場はポジティブに反応、米株高の流れを受けて日経平均も一時3万円目前まで上昇した。しかし、3万円を一歩手前に失速すると上値の重さが嫌気され戻り売り圧力に押された。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が直近の債券市場について「非常に注意を払っている」とし、米金利の動向をけん制するかのような発言もあったが、2日の米株市場は週明けの相場急伸後に伴う利益確定売りが優勢となりハイテク中心に軟調となった。これを受けた3日の東京市場でも、ハイテクが弱含んだ。一方、鉄鋼や非鉄金属、商社など資源関連株が賑わった。

 ADP雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を下回ったほか、金利の高止まりが嫌気され、ハイテク中心に売りに押された米株市場の流れを引き継いで、4日の日経平均は大幅反落。半導体などのハイテクのほかファーストリテ<9983>といった値がさグロース株なども大きく売りに押された。また、高騰していたニッケル価格の下落を受けて前日に急騰していた住友金属鉱山<5713>など非鉄金属など景気敏感系も利益確定売りが優勢となった。

 週末5日は、注目されていたパウエルFRB議長の発言において、期待されていたほどには金利上昇をけん制する内容が確認されなかったとして、米長期金利が上昇するなか失望売りが優勢となり、日経平均は一時600円程下落する場面があった。しかし、その後はアジア市場の堅調な動きもサポート材料となり、後場から急速に下げ渋る動きもみられ、結局65.79円安の28864.32円と小幅続落にとどまった。

 今週の日経平均は一進一退の展開が予想される。引き続き米国の期待インフレ率と長期金利の動向に神経質な展開が想定される。まず週初は、これらへの影響力も大きい米雇用統計の結果を受けた前週末の米株市場の動きを吸収する展開となるだろう。その後は、週末のメジャーSQ(特別清算指数)を前に手掛かり材料難のなかこう着感を強めそうだ。

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