高校卒業シーズンのこの時期、校則から解放され、「人生で初めて髪の毛を染める」という若者たちが美容室に押し寄せる時期でもある。そんな中、初めてのヘアカラーに「鬼滅カラー」をオーダーする女性も増えているという。大阪の人気美容室で働くスタイリスト・Aさん(20代)が語る。
「『鬼滅の刃』が大ヒットしたことから、鬼滅のキャラクター風のカラー、通称『鬼滅カラー』をオーダーするお客さんがとても増えました。コスプレイヤーさんではなく、ごく普通の女子大生の方が多いです。
(鬼滅の主題歌を歌っている)LiSAさんのヘアスタイルもそうなのですが、鬼滅のキャラも、基本的にはブリーチをして、2~3色の色を使うヘアスタイルです。コロナの自粛ムードのなか、『気分を高めたくて初めて明るいカラーに挑戦したい』というお客さんも多いです。多い日は、インスタグラムのDMからの予約で、1日すべて鬼滅カラーで埋まったこともあります」(A氏)
しかし、「鬼滅カラー」を売りにしている別の美容室のスタイリストBさん(30代)は、ちょっと複雑な思いを吐露する。
「鬼滅ヘアーをセルフカラーで再現しようとして失敗したというお客さんが、これまで何人もご来店されました。量販店などで購入したブリーチ剤を使って、自宅のお風呂場でブリーチをして、そこにカラーバターと呼ばれる色のついたトリートメント剤を塗布するというやり方です。
サロンで染めるよりも安価な金額でできるため、自分で挑戦してしまう人も多いのでしょうが、初めて市販のブリーチ剤を使うと髪の毛を傷めがちだし、色ムラもできやすい。先週も、うまく色が抜けず、髪がオレンジ色にギラギラと光って手に負えないという高校生が来店されました。
美容師としては『最初から私のところに来て!』という残念な気持ちになります。サロンだと1万~3万円ほどかかるので、ためらうかもしれません。ただ失敗した髪を治すには、もっとお金がかかります。できれば最初からプロに任せてほしいと思います」(Bさん)
映画もメガヒットを記録している『鬼滅の刃』。美容師の声からも、その根強い人気がうかがえる。初めてヘアカラーにチャレンジする場合は、できればプロに任せた方が安心かもしれない。