中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

大人の「1000円カット」論争 最優先するのは身なりか時間か

散髪への価値観は人それぞれ(イメージ)

散髪への価値観は人それぞれ(イメージ)

 現在、全国至るところで見かけるようになった「1000円カット」だが、普段利用しない人にとっては、どんな人が使っているのか、なかなか想像しにくいのかもしれない。先日も、はてな匿名ダイアリーに〈大人で1000円カットを使う人間がいると知ったのは衝撃だった。〉というエントリーが投稿されネットで話題となったが、そこには「ああいうのって子供とかもう身なりなんてどうでもいい老人が行くものだと思ってた」と書かれていた。このエントリーには反発も含め多くの意見が寄せられているが、実際の利用者は1000円カットの良さをどう考えているのか。1000円カット愛好家でもあるネットニュース編集者・中川淳一郎氏が考察する。

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 別にはてなの投稿者に反発するわけではなく、「そう思う人もいるだろうな」という感じがします。ただ、1000円カットに行く人は「身なりなんてどうでもいい」と考える人というよりは、「髪の毛を切ることに無駄な時間を使いたくない」人な気がします。つまり、髪の毛に対する優先順位が低い人です。

「サロン」と呼ばれるような美容室に行く人は、1週間以上前から指定のスタッフを予約し、わざわざ交通費をかけて「本番」に挑みます。カット、カラーリング、トリートメントをやると「3時間かかって1万3000円です」(30代女性)という大仕事になります。

 そして出来栄えが思い通りのものでなかったら「もうこんな前髪じゃ人前に出られない~。あの美容師一生恨む。口コミサイトに悪口書いてやる~」なんて言ったりする。時間もカネもかけ、しかも不満を持つというのはそれだけ髪の毛の優先順位が高い人なのでしょう。

 1000円カットの場合、待ち時間も合わせて15~20分程度で終了します。カットの時間は約10分で1200円(QBハウスの場合)。1000円カットに行く人は、髪の毛を切ることに対してそれほど思い入れもないでしょうし、お気に入りのスタッフとの会話を楽しみたいわけでもない。「長くなったからさっさと切りたい」「面接があるから切っておくか」「さっぱりしたいな」程度の思いで行くのです。こまめな人は2週間に1回、髪の毛を整える感覚でも行きます。

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