菅政権は今回の接待問題で更迭した秋本芳徳・情報流通行政局長の後任に、山田氏の夫である吉田博史・総括審議官を抜擢した。国家公務員指定職の俸給表などから試算すると、吉田氏は月給81.8万円(年収約1500万円)の総括審議官(指定職俸給表3号俸)から月給96.5万円(年収1770万円)の局長(同5号俸)への2階級特進で、年収が250万円アップ。夫婦合算の収入で考えると返納分を取り返せるどころか、お釣りがくる。
ちなみに山田氏の総務審議官時代の月給(俸給表7号俸)は110.7万円(年収約2190万円)で夫と合わせ3500万円を超える世帯年収があった計算だ。夫婦は2005年に千代田区の“億ション”を購入し5年間でローンを返済したと報じられている。不祥事で退職しても、ローン地獄の心配とは無縁だ。国会では、7万円接待の席でのことを問われ、「覚えていない」を連発した山田氏だが、これだけの“役得”があれば、7万円会食程度のことが記憶にないのは無理もないことなのかもしれない。
※週刊ポスト2021年3月19・26日号