普段からさまざまなことを体験しリポートし続けている『女性セブン』の名物記者“オバ記者”こと野原広子(63)が、世の中の疑問に感じた出来事を庶民の視点から訴える。今回は、国会議員の夏のボーナスについて。
* * *
このもやもやとした、いや~な感じ。何がって、新聞で「2020年夏季賞与の見通し」という項目がふと目について、しみじみ読んじゃったのよ。
生涯その日暮らしの私は、ボーナスシーズンが来ても、人をうらやむ気持ちすらないまま生きてきたけれど、今度ばかりは銭カネだけじゃない。“世の不条理”をしみじみと感じちゃった。
だってあなた、新型コロナ禍で、民間企業の1人あたりの支給額は、昨夏に比べて6.4%減と大幅なマイナスなのに、国家公務員は0.7%増だっていうのよ。国会議員だってそう。自民党と立憲民主党が、国会議員の報酬を一律20%削減することで合意したというから一瞬「国民の痛みを受けて、議員も身を切る覚悟だね」と思った私がアホでした。
カットするのは歳費(月給)の方で、ボーナスに当たる、年2回で約635万円の期末手当は、まんま支給って、なんだそりゃ、よ。収入でいえば、与党も野党もない。国会議員はみんな仲よく、期末手当は6月末に全額受け取るのよね。
ちなみに国会議員の歳費削減は1人月額20万円余で、国会議員713人で1年で約17億円だって。補正予算でコロナ対策に約5兆円追加、なんて耳にしていると、焼け石に水という気もするけど、そういう問題じゃない。こんなときこそ、とことん国民に寄り添って、「期末手当も1割カット」とぶち上げたら、たまりにたまった私たちの政治不信も薄れると思うけど、どうかしら。
しかし、それはそれとして、10万円給付で約13兆円規模の支出で、赤字国債は23兆円とか、どんぶり勘定のどんぶりが日に日に大きくなるにつれて、「この国、大丈夫なの?」と不安が増さない? 〇兆円規模が、これから何回続くのかって考えるだけでクラクラしてくるわ。