投資情報会社・フィスコが3月15日~3月19日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は16-17日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、緩和的な政策方針を改めて示すとみられ、ドル売りに振れやすい。日本銀行は18-19日開催の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定する見込みだが、10年金利の変動幅を拡大する可能性は低いとみられる。日本の長期金利の上昇は当面抑制される可能性が高いが、米長期金利は落ち着きをみせているため、リスク選好的なドル買い・円売りは一服しよう。
ただ、パウエルFRB議長をはじめ、米金融当局は長期金利の上昇について、「米国経済の回復を反映している」との見方を伝えている。新型コロナウイルスの感染抑制によって景気見通しは改善しつつあること、1.9兆ドル規模の追加経済対策法案の成立を意識して、リスク回避的なドル売り・円買いは抑制されるとの見方も少なくない。米長期金利の高止まりや、米国株式の安定化もドルを支える手がかりとなろう。
【米・2月小売売上高】(16日発表予定)
3月16日発表の2月小売売上高は、上昇基調を維持できるか注目される。1月は前月比+5.3%と大幅に改善し、個人消費の回復を示している。2月分は反動減の可能性があるが、市場予想を上回った場合、一段の景気回復を見込んだドル買いが入りやすい。
【FOMC】(16-17日開催予定)
3月16-17日に開催されるFOMC会合では、現行の金融政策の据え置きが決まる見込み。経済指標は改善が目立つものの、今後の回復への見方には慎重で極めて緩和的な金融政策を堅持するとみられる。緩和政策の長期化が示された場合、リスク選好的なドル買いは後退する可能性がある。