「新しい生活様式」の一つとして定着したマスク。緊急事態宣言解除後もまだまだマスク着用の生活が続きそうだが、最近では、機能性だけでなく、ファッション性の高さを重視したアパレルのマスクや、ハイブランドの高級マスクも登場し始めている。
そうした中で、いま女性を中心に話題を呼んでいるのが「血色マスク」や「チークマスク」と呼ばれるマスクである。関西在住の女子大生・Aさん(10代)が語る。
「血色マスクというのは、ベビーピンクやベージュ、ブラウン系の、肌色に近い色のカラーマスクのことで、顔色がきれいに見える効果があります。みんな、白マスクやグレーマスク、黒マスクには飽きていて、パステルカラーのかわいいマスクがトレンドになっていますね。
薄いピンクとかベージュのマスクをつけると、『チーク』を塗っているように顔の印象を明るく見せてくれる効果があるんです。春っぽくてカワイイのも魅力ですね。インスタに写真を載せるときもピンクやベージュのマスクだと顔を隠せるし、服にもマッチして可愛いので、あえてピンクマスクをつけた写真を撮る子も多いですよ」(Aさん)
アパレル業界に詳しい女性ライター・Bさん(30代)は、マスクがファッション業界でも重要な位置を占めてきたという。
「高校生や大学生を中心に人気のブランドは、軒並みブランドオリジナルのマスクを販売しています。アパレルネット通販のZOZOTOWNでは、『ファッション雑貨』カテゴリーに『マスク』が新たに追加されました。メンズに人気のマスクは、アディダスなどのロゴ入りのマスクや、白・青・黒などパキッとした色合いのスポーティなもの。一方、女性に人気なのが血色をよく見せるチークマスクです。
コットン製のものからウレタン製まで、ブランドによって素材や種類は様々ですが、自社ブランドのファッションとのマッチングを意識したものが多いようです。マスクだけファッションから浮かないように、ブランドが手がける服と色味の近い、あるいは相性の良い色を揃えている。
大学生に人気のブランドの中には、『イエローベース』と『ブルーベース』と呼ばれる、いわゆるパーソナルカラー別のチークマスクを発売しているところもあります。市販のマスクではなく、人気ブランドのマスクで周りの女子と差別化したいというニーズにくわえ、こうした“メイクの代替物”としても活用されているのです」(Bさん)
コスメ業界では「マスクに付かないリップティント」などが話題となったが、一方ファッション業界では「ファッションとメイクを兼ね備えたもの」という位置付けでマスクが新たな市場を形成し始めているようだ。